上島会計事務所便り

名古屋の上島会計事務所から、お客様へのお知らせやスタッフが気がついたことをご案内しています。

2014年04月25日(金)

『最近の税理士損害賠償請求事件とその対応策』 [研修報告]

TKC主催の生涯研修に行ってまいりました。

第一部は中小企業基盤整備機構 中部本部の岩瀬課長による『中小機構の支援事業について』です。
中小企業基盤整備機構は独立行政法人ということで国の外郭団体として、小規模企業共済、中小企業退職金共済、倒産防止共済の運営を行っており、皆さんも気付かぬうちに関わりを持たれている方も多いのではないでしょうか。しかしそれ以外に何をやっているところかと聞かれても、ご存知の方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
今回はそんな批判を受けて、そのPRに来たとのことで、基盤整備機構が行っている各種事業の紹介をしていかれました。

基盤整備機構の役割は一言でいえば、中小企業のサポートで、上に挙げた三共済以外にも
・経営課題への相談対応
・販路開拓コーディネート事業
・人材育成支援
・海外展開支援
といったことを行っているとのことでした。

我々も基盤整備機構との連携を行った経験はあまりありませんでしたが、今回、このようなPRを通じて、機構の役割を改めて認識し、お客様の経営改善にも活用できることがありそうだなと思いました。
皆さんもいきなり機構に問い合わせをするとなるとハードルが高いかと思いますが、上島会計にご相談いただければ、経営革新等認定支援機関として、機構との連携・活用を積極的に行ってまいりますので、ご興味をお持ちの方は職員までご相談ください。


第二部は『税理士損害賠償請求事件とその対応策』ということで、弁護士の内田久美子さんの講演でした。

顧問先企業と税理士事務所との間での損害賠償訴訟事例の紹介ということで、我々税理士事務所側からすれば、こんなことは起こらないにこしたことはないという話ですが。

税理士に対する損害賠償請求事件とは「こんな損害(できたはずの合法的な節税が出来なかったことによる損害等)が生じたのは、専門家としての判断に誤りがあったからだ」ということで訴えられているわけですが、今回のセミナーによれば「納税者側からの情報提供不足により、税理士側が予測困難だったことによる損害」については、納税者側が敗訴しているということでした。

税務上、適切な判断をするためには、十分な情報が必要となります。そのため我々も極力、お客様の状況把握に努めているつもりですが、こちら側からの働き掛けだけでは、どうしても把握できないことが生じてきます。ですので、お客様からも税理士事務所に対し、積極的な情報開示、提供をしていただければと思います。

例えば
・売上、利益の予測
・今後の設備投資の予定
・今後の人員採用計画、給与支給に関する計画
・相続財産の有無(相続税)
といった情報は税務判断上、非常に重要となってきます。

我々としましてもお客様からそういった情報を積極的に提供していただけるよう、日々信頼関係の構築に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

Posted by 上島会計 at 18時22分

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