2024年10月23日(水)
TKC中部会秋季大学2024 レポート [研修報告]
10月22日(火)に中部会秋季大学が名古屋東急ホテルで行われました。数ある講演の中の一部、元吉本興業ホールディングス会長、mother ha.ha代表理事大崎洋氏の特別講演についてご報告いたします。
大崎洋氏『WARAI NI NEGAI WOO』
社長に就任してから今までの、偉業を語って頂きました。
社長就任後まず行ったのが、60年間上場していた吉本興業を上場廃止することでした。理由は、反社会勢力との決別。昔からの関係性もあり、一部の株を保有していたそうです。上場廃止を受けて事務所に乗り込まれ、軟禁されたこともあったとか…。そして上場60年の節目に上場廃止を前提にしたTOBに賛同。TOBを進めた結果、一部の株主の影響から逃れることができました。またその当時貯蓄が100万程しかない中、420憶円の連帯保証人になったそうで、今では笑い話ですと語られています。
社長就任後、「デジタル」「アジア」「地方」の3つのテーマを掲げました。このままでは、デジタル革命によしもと≠ヘ飲み込まれると危惧したからだそうです。時代とともにテレビが終わったと言われていますが、役割はまだあるというお考えで、「昔は一家でテレビを囲んで生活し、茶の間のテレビが3世代のコミュニケーションの場でもありました。ですが今はスマホ。親は子供たちが何を見ているかわからないし、家族みんなで1つのことを共有することもなくなってしまった。」とコミュニケーションの場の重要性を語って頂きました。
地方創生の一環として、2011年には「あなたの街に住みますプロジェクト」を始動します。各都道府県(地元)に住み、地域にお笑いを届けるという内容です。いざ企画が始まると、芸人さんのボルテージの高さを実感することになります。商店街の各店舗に毎日挨拶をして親交を深め、一人で役所に企画書を出すなどして少しずつ知名度を上げていき、全国ではなく地元で有名な芸人さんが数多く輩出されました。愛知県では犬山市に「お笑い人力車」が町の復興に携わっており、町興しを頑張って取り組んでいます。そのような事例が2011年から800件くらいになり、現在は海外でも活躍しているそうです。
吉本興業を退任後、以前からオファーのあった「大阪・関西万博催事検討会議」の共同座長に就任しました。ただ就任後予算が0だと知り、吉本興業を辞めたことを一瞬後悔したそうです。その後、予算のない中どうやってイベントを企画しようか考えていた時、地方のお祭りを万博で届けることを思いつきました。地方からの予算も取れることから、一石二鳥でした。「もう発表もしてしまったので後はやるだけです。頑張ります。」と最後に語っています。この話を拝聴し、71歳でもまだこれだけの活動意欲をもつ大崎氏に感銘を受けました。
万博の共同座長を務める最中、以前親交のあった知人から新しく事業を始めたいと相談がきました。内容はeスポーツの新規事業、お年寄りをメインとしたeスポーツ「シルバーeスポーツ」を大崎氏としたいという企画でした。若者がゲームを制作し、おじいちゃんに教えるという、垣根を超えた事業ができると思い承諾したそうです。
以上、大崎氏が語った内容になります。
講演を拝聴した後、気になって大崎氏について調べてみました。
吉本興業に1978年入社後、初めは母のコネということもあり同期ビリの成績で、マネージャー、NSC開校を担当しますが、掃除係がメインの窓際人生だった。
その後ダウンタウンと出会い、自らプロデューサーになって仕掛けると大ヒット。東京進出が決まったダウンタウンと喜びを分かち合うが「大崎は大阪に残れ」と左遷人事。気持ちを切り替えて若手芸人たちの場づくりに奔走した。
その後、なんとか東京に行って再びダウンタウンの大躍進を牽引する。
数々のタレントのマネージャーを担当した後、音楽・出版事業、スポーツマネジメント事業、デジタルコンテンツ事業、映画事業などの新規事業を立ち上げる。ブロードバンドビジネスを始め、新規事業に数多く参画すると共に、社内の構造改革にも取り組み、吉本興業を日本屈指のエンターテインメント企業に押しあげる。
良いこと悪いこと色々あると思いますが、その中のたくさんの出会いや、行動を起こすことで、多種多様な発想が生まれ、自分自身の成長につながる。そんなことを気づかせてくれる講演だったと思います。
私は特にどん欲に何かに取り組む姿勢が、普段から足りていないと思っています。少しでも今回の講演内容を活かし、活動できるよう精進していきたいと思います。
遠藤 友紀 記
Posted by 上島会計 at 16時23分