2011年01月31日(月)
「KAGEROU」 [お薦めの一冊]
「KAGEROU」
著者:斎藤智裕
出版社:ポプラ社
昨年度、ポプラ社小説大賞を受賞したこの小説。
残念ながら作者名「斎藤智裕」よりもタレント「水嶋ヒロ」の
作品として有名になってしまった。
半分以上はタレントとしての有名税としても、
残りの半分くらいはきちんと新人小説家として読んであげたい。
作品は実に素直な実にすがすがしい内容。
【命】という大きなテーマを扱っているのだが、
そこに人間の醜さやドロドロとした複雑さはない。
あくまでも【儚さ】を唄いたかったのだろうか?
実際に読んでみて、巷の世評よりもずっと良い作品に仕上がっている。
人間っていいもんだなあ〜と単純に思える。
作品の世界観はなかなかのものです。
ただ、やはり描写の拙い箇所、構成の不足感は気になってしまいますが、
作者「斎藤智裕」として読めば処女作にしてはかなり魅力のある
小説だと思う。
騒ぎが少し治まった今、読み易い文体とやさしい世界。
素直に読むことができるのではないでしょうか?
いまじん本山店 藤原
Posted by 上島会計 at 17時39分