上島会計事務所便り

６月２３日（火）、上島税経会の会社見学ツアーを開催しました。今年は「かんてんパパ」で有名な伊那食品工業株式会社の見学とマルスウィスキーの工場見学です。伊那食品工業というと「かんてんパパ」の会社という程度の知識しかありませんでしたが、カンブリア宮殿やビジネス書「日本でいちばん大切にしたい会社」などで取り上げられ、従業員を大切にして好業績を上げる会社として、いま注目の会社さんなのだそうです。
今回はその社内を拝見したり、役員さんのお話を伺うことが出来るということで、若手経営者の方を中心に、中小企業の社長さん方にご参加いただき、長野県まで行ってまいりました。

伊那食品工業に着いてみると、本社や工場は長野の閑静な森林に囲まれた広大な敷地の中にあり、「こんなところで働きたい」と思うような環境の良さでした。
午前中は取締役の方の講演。寒天というと現在ではニッチな食材となってしまいましたが、そんな食材でも好業績を維持し続けている秘訣ということで、伊那食品工業の経営方針を中心にお話をされました。好業績を維持する秘訣としては、まず常に危機感をもって研究開発に取り組み、新たな技術・商品を開発し続けているということでした。伊那食品工業では人材等のリソースの１０％を研究開発に振り向けているとのことで、たゆまぬ研究開発で縮小していく寒天市場でも新商品を開発して、売上を伸ばし続けているとのことでした。

そしてもう一つの秘訣として従業員の「一致団結」ということを何度も口にしておられました。一人一人がバラバラな方向を向いていては成果は得られない。従業員教育や、海外への社員旅行等の研修・厚生に力を入れることで、勤労意欲の向上、意思統一を図り、一致団結することで、より大きな力を生み出すことが重要だとのことでした。
従業員は創業者や役員の高収入を実現するために働いているのではなく、自身のために働いているのだから、従業員の頑張りが自分に返ってくるように報いてあげること、そして従業員自身も頑張れば自分に返ってくるんだという意識で会社全体の業績に貢献するよう教育されるとのことでした。

しかし一方では「当たり前が会社を潰す」ということもおっしゃっておられました。従業員さんがお給料を沢山もらいたい、社員旅行に海外に行きたいと思うことというのは会社の収益を押し下げるものです。だからお給料を沢山もらう、より良い福利厚生を受けるということが「当たり前」だと思ってしまったら、それは会社としては非常に怖いこと。従業員さんの側もお給料をもらったり、社員旅行に海外に行けることに感謝をし、そうした処遇を維持向上させるために、より会社に貢献することを心掛けなければならないということでした。

というわけで、話題の会社というのも納得の、とてもためになるお話を伺うことが出来、参加者の皆さんからも、大変勉強になったというお声を聞くことが出来た講演でした。
ためになった講演の後は同じ敷地内にある食堂で寒天をふんだんに使ったお食事を楽しみました。
そしてお食事の後はお土産コーナーで皆さん寒天のおみやげをたくさん買って、楽しみました。

お土産を買った後は、本坊酒造株式会社さんのマルスウイスキーの信州蒸留所に移動。マルスウイスキーはあの「マッサン」の上司だった人が立ち上げたウイスキーブランドとのことで、小規模ながら高い評価を得ているウイスキーです。
今回はこの蒸留所を見学して、試飲をする予定でしたが、ちょうど移動の途中から大雨になってしまい、残念ながら蒸留所の見学はなくなり、試飲だけとなりました。

ウイスキーはとても美味しく、皆さん顔を真っ赤にして飲まれて、隣のお土産販売所では、たくさんのお土産を買われていました。
以上で、会社見学は終了、帰りのバスでは皆さん、熱く語り合ったり、疲れてお休みになったり、思い思いに過ごしながら、名古屋まで帰りました。

というわけで、今回も無事、終えることが出来ましたが、参加された皆さまはいかがでしたでしょうか？伊那食品工業で学ばれたことを会社経営に活かして、会社のさらなる発展を期待しております。
またバス旅行の運営につきまして不備、ご不満等ございましたら、次の改善に繋げるためにも、是非担当者までお伝えいただきますと助かります。
それでは有り難うございました。