2011年06月13日(月)
東北大震災にかかる義援金の取り扱いについて [税務お役立ち]
東北関東大震災からはや4か月が経とうとしています。
上島会計のある東海地方では日々の生活は概ね震災前同様に戻りましたが、
電力不足による節電協力や、企業での土日操業など大きな影響を残しています。
しかし東北地方ではいまだ日々の生活にも不便のある方々が大勢いることを考えると、
不平不満は言っていられません。
日本全体が協力してこの難局を乗り越えていくしかありませんね。
さて、震災後、皆様の会計処理をさせていただいておりますと、多数の義援金支出が見受けられます。
つきましては遅ればせながら義援金に関する税務について説明したいと思います。
ただ内容に誤解があるといけませんので、あくまで概略的・参考的なものとお考えください。
まず今回の震災関連で対象となる主な寄附金には以下のようなものがあります。
−震災関連の主な寄附金−
1.国または著しい被害が発生した地方公共団体への直接寄附
(青森、岩手、宮城、福島、茨城、栃木、千葉の各県及び周辺一部市町村)
2.日本赤十字社、中央共同募金会の「東日本大震災義援金」口座への寄附
3.報道機関に対して寄附したもので最終的に国または地方公共団体に拠出されるもの
4.認定NPO法人や公益法人で被災者支援活動に充てるために行った寄附金
(募集に際し認可を受けたものに限る)
(詳細は国税庁のHPで確認出来ます)
そしてこれらを支出した場合の取扱は、法人と個人で以下のようになっています。
−法人の場合−
上記の義援金を支出した場合は全額損金算入可能です。
必要な処理としては確定申告書別表14(2)「寄附金の損金算入に関する明細書」の作成、
および証明書類の保存です。
−個人の場合−
上記の義援金を支出した場合には所得税においては従来通り寄附金控除(所得控除)が受けられます。
住民税においては通常の寄附金控除に加え、今回はふるさと納税制度の適用を
受けることが出来ることとなりました。(総務省のページ)
これらを適用した場合、大雑把にいうと、住民税の1割程度の寄附なら
寄附金額−5千円程度、税額が軽減されることになります。
つまり個人の場合は寄附をしても自己負担は5,000円で済んじゃうということです。
(控除には限度があるため住民税の1割程度を超えて寄附を行った場合には
もう少し少なくなります)
ですので思い切って寄附してその分控除を!と言いたいところですが、
控除を受ければ結局そのぶんだけ通常の税収が減るだけですから、
寄附の意味も減ってしまうような気もしますね…。
手続きとしては証明書類(郵便振替の半券等)をつけて確定申告をすれば、
住民税も含めて控除が行われます。
以上、大まかに東日本大震災にかかる義援金の取り扱いを説明いたしましたが、
詳細については担当者の方までご質問下さい。
Posted by 上島会計 at 09時14分