上島会計事務所便り

名古屋の上島会計事務所から、お客様へのお知らせやスタッフが気がついたことをご案内しています。

2014年10月15日(水)

『アマゾンを守る』 [研修報告]

画像(160x176)

TKC生涯研修の研修報告です。
今回はアマゾニア森林保護植林協会会長の長坂優さんの講演でした。
最初は講演テーマが「アマゾン川」ということで「何のことやら、つまらなそうな研修だな」という感じで参加した講演でしたが、いざ聞いてみると、わくわくするようなお話で、非常に楽しい講演でした。
アマゾンというと大きいというイメージは持っていましたが、長坂さんによればアマゾン川の河口付近の川幅は日本列島の幅と同じくらい(300〜400km)あり、アマゾン流域の熱帯雨林では地球上の酸素の1/3を算出し、アマゾンは地球の肺ともいえる存在であるなど、想像を超えるスケールだということで、まずその大きさに驚かされました。
長坂さんはそんなアマゾンに戦後間もなく開拓民として入植されました。その当時のアマゾンは欧米の世界的な大企業でさえ開拓をあきらめるほどの過酷な環境。そんな熱帯雨林に一人放り出され、来る日も来る日も木を切り倒して切り開くだけの日々。何か月にも渡って、誰とも話すことも出来ず、食事もロクにとれず、時期を同じくして入植した仲間の多くが命を落とす中、長坂さんも何度も命の危機を経験しながら、辛うじて生き延びたそうです。

画像(180x134)・拡大画像(476x355)

そうして生き延びた日本人の皆さんが、アマゾンを開拓し、全く産業らしいものがなかったアマゾンの地に、胡椒栽培やコーヒーを入れる麻袋の栽培という産業を生み出し、今では世界的な産地にまで発展させたんだそうです。そしてこれらの産業は現地の人々の生活水準を高めることにも大きく貢献しているとのことでした。
こうしたお話を聞くと、当時の日本人の開拓精神、精神力の強さに驚嘆せざるを得ません。いま中国が世界的に存在感を高めており、日本人の多くはそれを脅威に感じ、恐怖すら覚えていますが、今回の長坂さんのお話を伺って、日本人にも彼らに負けないくらいの開拓精神や、粘り強さ、そして彼らにはない共存共栄の精神があり、それらを発揮すれば、彼ら以上に世界で存在感を示すことが出来るんだということを強く感じました。

長坂さんは1940年生まれ、御年74歳ということですが、そんな年齢を感じさせない、熱く、楽しい講演でした。

Posted by 上島会計 at 19時30分   パーマリンク

2014年06月02日(月)

『山奥の小さなタクシー会社が届ける幸せのサービス』 [研修報告]

画像(125x180)・拡大画像(200x288)

5月12日、TKC主催の生涯研修に行ってまいりました。
前半の講演は「税務業務と会社法」でした。専門的な内容なので詳細は割愛しますが、税務と会社法は切っても切れない関係にあります。例えば役員報酬や、役員に支払う地代家賃等の変更等の際には会社法の規定により株主総会や取締役会の議事録の作成が必要となっており、税務調査でもそういった形式が整っているか否かが争点になることがあります。
税務面だけを気にしていると、ついつい会社法上必要な処理を忘れがちですが、会社法は会社運営の基礎となる法律ですから、きちんと正確な知識を持たないといけないなと、身につまされる研修でした。


研修後半は長野県にある中央タクシー株式会社の宇都宮恒久社長による講演でした。厳しい競争で苦境にさらされるタクシー業界にあって、中央タクシーは非常に好調な業績を上げており、宇都宮社長はテレビ東京の「カンブリア宮殿」に出演されたり、中央タクシーを取り上げた書籍が出ていたりします。

講演では中央タクシーの好業績がいかにして実現されているかという内容でしたが、一言でいえば徹底的な顧客第一主義ということでした。中央タクシーがメディアで取り上げられる際に、必ず話題になるのは運転手の方がお客さんに対し行った素晴らしいサービスの逸話です。
財布を無くしたことに気付いたお客さんに、後で乗車場所まで戻って財布を探して届けたり、パスポートを忘れて空港に向かったお客さんに、別のタクシーがパスポートを持って追いかけて届けたり、長野の寒さを知らずにやってきたお客さんに暖かい靴下を上げたり等々、常識では考えられない顧客対応をされており、中央タクシーにはそういったサービスに感動したお客さんから、日々、お礼の手紙が届くそうです。
そして中央タクシーではこういった逸話の数々を「伝説」と称して、語り継ぐんだそうです。
タクシーというとお客さんを目的場所に届けるだけの、単調な業務ですが、中央タクシーではこれを「お客さんの人生に触れること」と定義することで、単調な作業に深い意味を持たせ、乗務員が自発的に良いサービスを届けたいという気持ちになるようにしていったそうです。

そしてこうした行動を支えるのに大事なのは社風だとのことでした。タクシーというのは個人主義的な仕事で、それぞれが個人事業主のように独立して仕事をしているので、社員間の交流はほとんどないのが普通で、人間関係は決して良好なものではない、というよりむしろ悪いんだそうです。しかし中央タクシーでは「みんなで盛り上げていこう」という雰囲気を作り出し、社内の人間関係をよくするよう努めたことで、社内の雰囲気が良くなり、従業員の定着率も高くなり、ひいてはそれがお客さんへのサービス向上にもつながりました。
とある乗務員の方などは退職の際に「こんなに長い間いるつもりじゃなかったけど、みんなと一緒に仕事をするのが楽しくて、この歳までやることになった」と言って、シフト制で出勤する他の乗務員全員に挨拶するまで毎日出勤して挨拶をされたそうです。

講演を聞いていて、こういう気持ちでお客さんに向かえて、また退職を迎えられたら幸せだろうなと思うような講演でした。皆さんもご興味のある方は、一度書籍をお読みいただくといいのではないでしょうか。

Posted by 上島会計 at 09時31分   パーマリンク

2014年04月25日(金)

『最近の税理士損害賠償請求事件とその対応策』 [研修報告]

TKC主催の生涯研修に行ってまいりました。

第一部は中小企業基盤整備機構 中部本部の岩瀬課長による『中小機構の支援事業について』です。
中小企業基盤整備機構は独立行政法人ということで国の外郭団体として、小規模企業共済、中小企業退職金共済、倒産防止共済の運営を行っており、皆さんも気付かぬうちに関わりを持たれている方も多いのではないでしょうか。しかしそれ以外に何をやっているところかと聞かれても、ご存知の方はいらっしゃらないのではないでしょうか。
今回はそんな批判を受けて、そのPRに来たとのことで、基盤整備機構が行っている各種事業の紹介をしていかれました。

基盤整備機構の役割は一言でいえば、中小企業のサポートで、上に挙げた三共済以外にも
・経営課題への相談対応
・販路開拓コーディネート事業
・人材育成支援
・海外展開支援
といったことを行っているとのことでした。

我々も基盤整備機構との連携を行った経験はあまりありませんでしたが、今回、このようなPRを通じて、機構の役割を改めて認識し、お客様の経営改善にも活用できることがありそうだなと思いました。
皆さんもいきなり機構に問い合わせをするとなるとハードルが高いかと思いますが、上島会計にご相談いただければ、経営革新等認定支援機関として、機構との連携・活用を積極的に行ってまいりますので、ご興味をお持ちの方は職員までご相談ください。


第二部は『税理士損害賠償請求事件とその対応策』ということで、弁護士の内田久美子さんの講演でした。

顧問先企業と税理士事務所との間での損害賠償訴訟事例の紹介ということで、我々税理士事務所側からすれば、こんなことは起こらないにこしたことはないという話ですが。

税理士に対する損害賠償請求事件とは「こんな損害(できたはずの合法的な節税が出来なかったことによる損害等)が生じたのは、専門家としての判断に誤りがあったからだ」ということで訴えられているわけですが、今回のセミナーによれば「納税者側からの情報提供不足により、税理士側が予測困難だったことによる損害」については、納税者側が敗訴しているということでした。

税務上、適切な判断をするためには、十分な情報が必要となります。そのため我々も極力、お客様の状況把握に努めているつもりですが、こちら側からの働き掛けだけでは、どうしても把握できないことが生じてきます。ですので、お客様からも税理士事務所に対し、積極的な情報開示、提供をしていただければと思います。

例えば
・売上、利益の予測
・今後の設備投資の予定
・今後の人員採用計画、給与支給に関する計画
・相続財産の有無(相続税)
といった情報は税務判断上、非常に重要となってきます。

我々としましてもお客様からそういった情報を積極的に提供していただけるよう、日々信頼関係の構築に努めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

Posted by 上島会計 at 18時22分   パーマリンク

2014年04月03日(木)

『本気で資金繰りを改善したい経営者のための銀行対策』 [研修報告]

ここのところ更新が滞っておりましたが、確定申告も終わりようやく落ち着きが出てまいりましたので、久しぶりに研修レポートを書きたいと思います。

3月27日にTKC主催の生涯研修が行われました。

第一部は『本気で資金繰りを改善したい経営者のための銀行対策』ということで大垣共立銀行で融資業務を手掛けたのち、事業再生、資金繰りコンサルティングを行っている川北英貴さんの講演でした。(ちなみに第二部は企業再編に関する講演でしたが、内容が専門的すぎるので、第一部のご紹介のみとします)

アベノミクスで世情は浮ついていても、いまだ多くの中小企業は苦しんでおり、アベノミクス景気に乗るためにも資金繰りを改善したいという社長が多くおられるということで、少なからぬ期待を持って研修に参加させていただきました。
が、講演では生々しい裏話等はほとんどなく、ごく一般的なお話に終始され、若干拍子抜け。それでもわずかながら参考になった話のエッセンスを簡単にご紹介したいと思います。

・銀行の担当者も人間なので、来た時に嫌な顔をしたりすると、やはり会社からは足が遠のくというもの。「いつでもウェルカム」ということを伝え、また「毎月試算表を渡すから」というような用事を作ってあげることで、担当者は来やすくなり、そのようにして担当者と良好な関係を築いておけば、いざというときの融資がスムーズに進みやすいとのことです。

・金利の引き下げを目的に、今ある借入を他行で借換えすると、それまで借入していた銀行との取引関係は悪化し、その後の借入が困難となることが多いため、そのような借り換えはよくよく考えたうえで行うようにしましょう。

・金融円滑化法施行時に話題となりました「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画(実抜計画)」ですが、円滑化法終了後も条件変更をする場合には同様のものが求められることが多いようです。この実抜計画、人によっては「やることをやればいいんだから、忙しいなか、そんな資料を一生懸命作らなくたっていい」という方もいるかもしれません。
しかし条件変更に応じてもらったり、追加融資を受けるには銀行内の稟議を通さなければなりません。いくら担当者に口で語っても、決裁をする人にまでは届かないわけですから、決裁する人に対して伝わるよう、図解などを交えわかりやすく、かつ情熱をもって実抜計画を作成するということは大事なことだということです。
実際、私の担当のお客様でも円滑化法の適用は受けていませんが、業績としては追加の借入は難しいかなと思われる会社が、パワーポイントを駆使して、会社のビジョンを分かりやすく、かつ情熱をもって説明した資料をつけて申し込みをしたことで、追加の借入を受けることが出来たということがありました。

アベノミクスで景気は上向くかもしれませんが、その中で企業の「選別」は間違いなく進みます。いま条件変更を受けている企業の中には銀行の協力のもと再建が進む企業もあれば、中には見切りを付けられ、整理対象となる企業も出てくるでしょう。
上島会計は経営革新等認定支援機関として、より一層中小企業の皆様をサポートして参りたいと思っております。これからの荒波を一緒に乗り越えていきましょう。

Posted by 上島会計 at 19時38分   パーマリンク

2012年09月24日(月)

『2012年TKC経営革新セミナー』を開催しました! [研修報告]

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

上島淳二代表挨拶

去る9月12日(水)、毎年恒例の事務所セミナー『2012年TKC経営支援セミナー』を開催しました。
今回のメインテーマは「中小企業会計要領」について。「中小企業会計要領」の公表に伴い、金融機関に提出するチェックリストが変更となったことから、従来の中小企業会計指針との違いや実務対応についての解説を中心にセミナーを行いました。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

会場の雰囲気は真剣そのもの

セミナーの内容は我々事務所職員でさえ難解なものでしたが、今回は各社の社長様に加え、経理担当の方にもお集まりいただいたことから、皆さん真剣に聞き入っていらっしゃいました。
従来の「中小企業会計指針」は大企業向け会計基準を中小企業向けに簡素化したもので、中小企業には対応が難しい点が多数ありました。一方「中小企業会計要領」は中小企業への適用を念頭に設定されたことから、「指針」よりも対応が容易だという触れ込みで公表されました。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

富士田による講演

しかし実際にはまだまだ中小企業には対応が難しい項目が多い上に、今後は不適切なチェックが行われた場合における会計事務所への罰則規定も設けられました。そのため従来のようにはチェックリストをお出しすることが出来ず、お客様にはご迷惑をおかけすることとなり、誠に恐縮次第です。
しかし正規に「中小企業会計要領」に対応する決算であれば、当然事務所としてもチェックリストをお出ししていく所存ですので、「中小企業会計要領」に対応する決算を目指される会社様は是非とも担当者までお申し付けください。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

株式会社TKC様の商品紹介

会計要領の解説のあとは株式会社TKC様よりTKCの会計ソフトのデモンストレーション。
会計ソフトというとCMでやっている勘定奉行や弥生会計のようなソフトが有名ですが、実際には税務申告ソフトシェアではTKCがシェアNO.1!従来主流だった中小企業向け会計ソフトFX2に加え、クラウドで複数端末同時入力にも対応した中堅大企業向けソフトFX4、そしてより小規模な会社さん向けに親しみのある外観を持つe21まいスターが登場。それぞれのソフトの持つ特徴をTKCさんにアピールしていただきました。

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

頭を休めて楽しく昼食

そうして難しい話も終わり、午後になるとようやく楽しい昼食会。パーティー会場に移動して、皆さん美味しい弁当を食べながら情報交換などをしながら、楽しくご歓談され、セミナーは滞りなく終了いたしました。



今回のセミナーで印象深かったのはTKCの川副センター長代理の「自計化は社長のためにするんです」というお話。自計化とは「自分の会社の中で帳簿をつけること」を言います。この移り変わりの激しい世の中、会社が生き残っていくためには、いち早く自社の状況をつかみ、素早く世の中の変化に対応していくことが必要不可欠。また今回の「中小企業会計要領」公表に当たっても、経営者が自ら自社の経営数値を把握、説明できる「財務経営力」の必要性が説かれています。
自計化の本来の意義はこうした「財務経営力」の向上にあるということです。
自社の「財務経営力」の向上のために是非自計化にチャレンジされたいという方がいらっしゃれば、我々所員が精一杯サポートさせていただきますので、ぜひとも担当者までお声掛け下さい!

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

上島一丈所長挨拶

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

各社さんが交流されていました

画像(180x135)・拡大画像(640x480)

担当者と仲良く記念写真


Posted by 上島会計 at 18時11分   パーマリンク

過去の記事へ

ページのトップへ ページのトップへ

3

2015


1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        

広告

PHOTO

上島税経会ボウリング大会開催のお知らせ

上島税経会ボウリング大会開催のお知らせ

第27回上島税経会ゴルフコンペ開催

第27回上島税経会ゴルフコンペ開催

TKC中部会『秋季大学2012』開催のお知らせ

TKC中部会『秋季大学2012』開催のお知らせ

検索


カテゴリーリスト

最近の記事

RSS1.0 RSS2.0

[Login]


powered by a-blog
Copyright (C) 2011 上島会計事務所 All rights reserved.