2016年11月11日(金)
TKC秋季大学 レポート [研修報告]
11月8日、今年もTKC秋季大学がウェスティンナゴヤキャッスルホテルで盛大に催されました。
午後の講演では元中日ドラゴンズの山本昌さんがいらっしゃるということで、注目の講演会となりました。
今回、午後の講演レポートを事務所の若手二人に書いてもらいましたので、ご一読いただければと思います。まずは山川修による第1部基調講演のレポートです。
〜 赤岩茂氏 基調講演「会計がわからずして経営ができるか!?」レポート〜
11月8日(火)毎年恒例のTKC秋季大学がウエスティンナゴヤキャッスルにて開催されました。毎年著名な方が講演され、今年の基調講演は赤岩茂氏が「会計がわからずして経営ができるか!?」と題しての講演。税理士法人の理事長であり大学の客員教授もされている方、さぞ会計の実務や理論の重要性を説かれるのだろうという気構えを見事に裏切る形で講演はスタートしました。
赤岩氏いわく、「社長をみれば会社がわかる」、「心の傾向性=社長の心持ちが大切」と講演の序盤から人間性をとても重視したお話しをされていました。一事が万事、社長の姿勢や心持ちが会社に表れている!という明確な信念を持たれていて、社長に限らず社会人であれば誰しも気に留めなければならない側面に触れられていました。
この方、実は日本でいちばん大切にしたい会社大賞の審査委員や人を大切にする経営学会の理事長を務められていた方。多くの会社の盛衰をみてそれぞれの社長と関わってきた経験から、ずさんな決算をしている企業・先行きの経営計画のない企業の多くは廃れてしまうことを自らの体験を元に強調されていました。
講演全体を通して人間性を強調しつつも、標題の「会計」については社長や会社自身が会計を学び自らの立ち位置を財務諸表から把握することが大切だという形で触れられていました。また、正しく会計を駆使して未来を想定し計画を立てていくこと、会計は企業経営の物差しであり正しい物差しを活用してこそ対外的に信頼を得られ経営がうまくいくということを熱量を持ってお話し頂きました。
関与先あっての事務所、地域社会あっての会社と外部との調和を大切にされているという赤岩氏。話が少し逸れますが、講演を主催しているTKCの基本理念に“自利利他”といって、関与している企業の皆さまが栄えてこそ会計事務所も栄えていくという考え方があります。至極当たり前と思ってしまいますが、実際に大きくなる会社にはその会社の規模相応の実務と倫理を調和させる方針が根底に根付いているということなのでしょうか。実践を伴ってきた赤岩氏も同様の帰結に至る所、自らの身に落とし込んで考えてみる価値があるように感じました。
今回の講演では、普段から会計の実務に追われている身からすると、実務優先で疎かになってしまっていた部分を再提示されたようで、実務と倫理のバランスを考え直すに良い機会になったと思います。この記事をご覧頂いている方はいかがでしょうか?ご自身や会社を見返してみたとき、健康診断のように時々は自らが下した判断について実務と倫理のバランスを悪くするものになっていないかを考えてみるのも面白いかもしれません。
Posted by 上島会計 at 09時38分