2018年05月09日(水)
TKC経営者アカデミックセミナー レポート? [研修報告]
先日に引き続き、以下小川裕史のレポートです。
TKC経営者アカデミックセミナー〜経済展望と企業経営〜
4月27日(金)にTKC経営者アカデミックセミナーがあり、学習院大学教授の伊藤元重氏の講演を拝聴してきました。
まず、今の経済状況の話があり、ここ数年で最も悪かったのが2012年で、それ以降は回復傾向になっているとのことでした。雇用に関しても、65歳以上の就労者、女性、外国人の労働者が増え、有効求人倍率も高く、企業の業績も更新しているとのことです。
ただこれだけ好調なのに成長率が上がらないのは、労働力のバランスが悪いのが影響しており、建設・介護・IT等では労働力不足で、賃上げが必要とされており、大手銀行では逆に過多となっており、あと何年後かで数千人の仕事がAIなどの影響でなくなる予測になっています。中小企業は一時的に苦しいかもしれませんが、労働条件の改善が求められています。また、2022年に向け労働力が毎年0.5%ずつ下がる見込みで、労働需要が同程度下がらないと厳しい状況になり、倒産・廃業・リストラが3%起きる予測です。これを逆にビジネスチャンスと捉え、働き方に変化をもたらすことが重要なってくると仰っていました。
次に企業がやっておくべきこととして、『投資』(人材や設備等)をあげていました。今の日本は政府が財政赤字なのに対し、企業は貯蓄過剰の状態で、この分を投資に回せば経済はかなり良くなるとのことです。そして投資をしない企業はいずれ潰れる、ただ何の為に行うか、2020年以降の先を見据えて行うことが本当の投資でそのトレンドを見極めることが非常に大事とのことです。
問題点としては、IT・IOTの成長により少しのミスで企業が生き残れなくなる状況にあり、中小企業の多産多死が続いています。また、大企業の下請けの中小企業は厳しい状況です。その中で労働供給等の調整、投資、技術革新・トレンドの見極めをしっかりと行い、IT、情報を有効活用し、ニッチな分野を得意としていくことで生き残れる時代になってくるそうです。
今回の講演は経済の動向・予測を踏まえ、今とこれからの問題にどう対応していかなければいけないかという話で大変興味深い内容ではありましたが、実際にはどれだけ活かせるものなのか、どこまで対応できるものなのかという疑問も湧きました。
まだまだ知識も少なく、経験も浅いですが、理論と実践の違いもしっかり学んでいきたいと思いました。
上島会計事務所
小川 裕史
Posted by 上島会計 at 17時01分