2011年09月28日(水)
22年度産業別経営動向 [スタッフ便り]
上島会計では税務会計システム最大手のTKCのシステムを利用していますが、
TKCでは申告データをもとに経営指標の統計を取っており、
これを「BAST(バスト)」(Business Analyses & Statistics By TKC)と呼んでいます。
(社を特定できるような情報は一切含まれていません)
BASTは標本数は20万社超と国内最大の企業統計となっており、毎年1度発行されます。
BASTは1月から12月を1つの年度としていますので、
23年度版は平成22年の1〜12月のデータをもとにしたものとなります。
平成23年に入ってから、大震災の発生や欧州の経済危機等、大きな変化が起きており、
直接的に参考にはなりませんが、簡単にご紹介したいと思います。
まず21〜22年への移り変わりという点では
21年度はリーマンショックの影響が最も大きかった年であり、
売上高や利益率などあらゆる指標が大幅に悪化しました。
なかでもとりわけ大きく悪化したのはやはり製造業です。
製造業では20年度以前、経常利益率が3%前後あったものが、
21年度には全企業平均でマイナスにまで落ち込んでしまいました。
産業 | 平成19年 | 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 |
---|---|---|---|---|
全産業 | 1.8 | 1.5 | 0.5 | 1.0 |
建設業 | 1.0 | 0.7 | △0.1 | 0.1 |
製造業 | 3.1 | 2.6 | △0.3 | 1.3 |
卸売業 | 1.3 | 1.2 | 0.6 | 0.8 |
卸売業 | 1.3 | 1.2 | 0.6 | 0.8 |
小売業 | 0.5 | 0.4 | 0.4 | 0.5 |
宿泊・飲食 | 0.2 | △0.2 | △0.6 | △0.6 |
サービス業 | 2.4 | 2.0 | 1.2 | 1.5 |
東海地方は製造業が多いこともあり、地域別でみると平成21年から平成22年にかけての
黒字企業割合は東海地方の落ち込みが最も大きくなっています。
平成22年には若干改善するものの、リーマンショック前の水準にはほど遠い状況です。
地域 | 平成19年 | 平成20年 | 平成21年 | 平成22年 |
---|---|---|---|---|
北海道 | 50.3 | 48.7 | 47.4 | 50.1 |
東北 | 51.4 | 48.7 | 43.5 | 45.4 |
関東 | 45.8 | 44.2 | 37.6 | 38.7 |
東海・北陸 | 48.2 | 45.9 | 37.0 | 38.2 |
近畿 | 50.8 | 48.8 | 42.9 | 44.3 |
中国・四国 | 46.3 | 44.4 | 39.9 | 41.4 |
九州 | 52.0 | 49.4 | 46.3 | 47.3 |
そしてその後、平成23年には本来であればには更なる改善が期待されたところだったのですが、
大震災の影響で多くの企業が再び苦境に立たされる状況となりました。
下半期に関しては地震の影響による落ち込みを補うべく自動車各社、増産体制を取るとのことで、
今後の回復が期待されますが、欧州不安や中国の減速懸念等もあり、
厳しい経済環境は今後も続くと思われます。
しかしこんな時だからこそ「頑張ろう東海!」「東海の底力」で
日本の真ん中から日本を盛り上げていきましょう!
Posted by 上島会計 at 09時31分